読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

アッパーウエストでMeetupとBranchへの取材 - クラウドファンディングでニューヨークへ

2013年 ニューヨーククラウドファンディング取材記

f:id:hynm_rie_ehara:20161221154105j:plain
アッパーウエストスタートアップ朝食会の常連メンバー 中央が運営ホスト

 

 

紹介ベース以外でも取材の機会を増やすため、ニューヨークで共通の関心者が集まるコミュニティサービス Meetup(ミートアップ)を使って、オープンな集まりやイベントに参加してみることにした。

Meetupは、まだニューヨークにスタートアップコミュニティができ上がる前、2002年に創業した第一世代のニューヨークを代表するスタートアップの一つで、その名の通り同じ興味関心事を持つ人同士がミートアップできる(出会える)コミュニティサービスだ。サイト上にいくつものグループが存在し、好きなコミュニティを探して参加でき、イベントなどがある場合そこから参加申込してリアルに出会うことができる。

創業者がインターネットコミュニティとも深いつながりがあったため、多くのテックコミュニティが作られ、そのままニューヨークにスタートアップコミュニティが形成されるのに大きく貢献したそうだ。ニューヨークでローカルな人と出会いたい場合、このサービスを使えば私のような外国人でもオープンに受入れてくれる。

 

 

ミートアップを使ってアッパーウエストのコミュニティへ

 

 

毎日スタートアップ関係だけでも10はイベントが開かれているというMeetup。火曜日の午前中に誰でも参加できそうな「アッパーウエストでスタートアップを招いた朝食会」というのを発見した。早速申し込むと、快く参加を受け付けてくれた。会場はその名の通り、セントラルパークの中央西側あたりのアッパーウエストと呼ばれるエリアにあるAroma Espressoというコーヒーショップだった。

この日のゲストはHiLineCoffee(ハイラインコーヒー)という、ニューヨークで自家焙煎しているコーヒーの通販スタートアップの創業者だった。KeurigとNespressoで使える、コーヒーポッドという形で届くので、マシンがあれば手軽に鮮度の高いコーヒーが楽しめるのが特徴だ。

創業者のGeneの話を軽く聞いた後は、各自軽く自己紹介をしてから交流タイム。夜オフィスで開催されるような大人数のMeetupに比べると、いろんな人と話しやすく、ホストがあふれている人を見つけては「この人と話した?」という感じで助け舟を出してくれるので、全く知り合いのいないアウェイ感のある場所でも心細くなかった。また、参加者は全員スタートアップに関心があるので、どこで働いているのかといった質問からの派生で十分会話が成り立つところもよかった。

運営しているホスト自身も起業家で、いろんな人と広く知り合うために自分の住むエリアでライフワーク的にこの会を定期開催しているのだと教えてくれた。日本でも最近ミートアップは増加しているが、こうやってホストが全体に気を配って快適なコミュニティを作ろうとしているところはまだ少ないと思うので、見習うべき素晴らしいやり方だと思った。

 

 

Branch(ブランチ)の創業者 Josh Miller

 

 

午後は、最初に取材で訪れたインターネットコラージュの to.be 創業者 Nickからの紹介で、日本にいる時からサービスを愛用し、なんとか会ってみたいと思っていたスタートアップの一つ、ディスカッションプラットフォーム Branch(ブランチ)の創業者Josh Millerとの約束でグラマシーパーク方面へ。

グラマシーパークは、かわいらしいお店が集まる閑静な住宅街である。グラマシーホテルの滞在者を除けば、鍵を持っている近隣住人しか入れない私設公園、グラマシーパークの近くにあることがこのエリアの名前の由来だ。

 

Branchは、twitter創業者の一人でMidiumの創業者でもあるEvan WilliamsとBiz Stoneの創設したインキュベーター Obvious Corp(現在はObvious Ventures)をはじめとし、ニューヨークを代表するインキュベーター Betaworks、シードファンド Lerer Venturesからも出資を受ける最強のメディアマフィア軍からのバックアップを受けている。

 

創業者のJosh Millerは、プリンストン大学ドロップアウトし、22歳で仲間と共にBranchを創業した。自分の意見を書いたり、コメントに返答することができるブログやtwitterなどの発信型のメディアがあるのに対し、何かについて議論できる場がインターネット上にないことがBranchを作ったきっかけだという。

Joshは、母親が自宅にゲストを招いて食事の席で様々な議論をしていた経験から、物事には様々な見方があり、それについて議論したりすることで、見識が広がって行く重要性を学んだそうだ。

情報には主観があったり、欠けている情報があって、インターネットが貴重な情報源となっている現代で、読んでいるだけでは正しい物の見方ができないというのは、その通りだと思った。

 

f:id:hynm_rie_ehara:20161221154306j:plain
私が写真を撮っている間も自席に戻って、開発に集中するBranchのチーム

f:id:hynm_rie_ehara:20161221154321j:plain
Mediumなどと共有のオフィスのミーティングスペース。ハロウィンバージョン

 

f:id:hynm_rie_ehara:20161221154317j:plain共有キッチン。オフィスマネージャーが買い出しなどをして開発に集中できるようサポートする

 

f:id:hynm_rie_ehara:20161221154328j:plain
Branchの創業者は全員エンジニア。中央がJosh Miller

 

Branchは、この取材の約半年後にFacebookに約15億円($15M)で買収された。

 

ちょうど買収発表のタイミングに休暇で日本を訪れていたJoshと会って食事をした時、「Facebookのオフィスもすごくいいから、行ってみるといいよ」と話していた彼。その後、シリコンバレーFacebookオフィスにも私を招待してくれたのだが、Joshの働く建物内には、ちょうどマーク・ザッカーバーグがいて、私の興味からスタートした小さな小さな旅の一つのルートがこんな場所に導いてくれたことになんとも不思議な感覚を覚えた。

 

さらに、2015年に、Joshはホワイトハウスに転職し、オバマ氏の元でプロダクトディレクターとして勤務。オバマ氏の退任と共に彼もまたホワイトハウスを去った。

 

まだ、20代の彼がこれからどこに向かうのかこれからも注目したい。

 

(つづく)