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ヘルスケアスタートアップ Noom(ヌーム)との出会い - クラウドファンディングでニューヨークへ

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チェルシーのギャラリー街は、制作環境にも適した落ち着いた雰囲気がある


 

ローワーイーストサイドのairbnbに引っ越してからはじめての月曜日は、チェルシーにあるNoom(ヌーム)というスタートアップに取材に行くことになっていた。

 

ヘルステック Noomとの出会い

 

クラウドファンディングで取材のための支援を募っていた時、キャンプファイヤーに一通のメッセージが届いた。Noomという、ニューヨークのヘルスケアスタートアップで働く日本人、Yokoさんが「ぜひオフィスに遊びに来てください」と連絡をくれたのだった。私が詳しくリサーチしていたのは、基本的に一般消費者向けのサービスだったため、Noomについては連絡をもらうまで知らなかった。

Noomは、ダイエットを手助けするアプリ「Noomコーチ」をメインに作っていて、これまで健康関連の様々なサービスをリリースし、世界累計で1,800万ダウンロード(2016年現在は4,600万)されているということだった。選択課金型のアプリは、Google play健康カテゴリ内で売上1位を10ヶ月連続で達成し、日本でも知られている名門VCの一つから資金調達も受けていた。こんな会社があったのか!と嬉しいニュースだった。

Yokoさんは、すぐにメールで創業者のSaeju(セジュ)を紹介してくれ、事前に何かできることがないか取材の相談にも乗ってくれた。Saejuは、韓国から9年前に退路を断って単身ニューヨークに渡り、つても何もない状態からスタートして今に至っているのだと話してくれた。だから、私の挑戦を応援したいと言ってくれたのだった。

 

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コーポレートカラーのグリーンがアクセントのNoomのオフィス(現在はブルーにリブランディング

 

ローワーイーストサイドでまだ移動に慣れない月曜日の午前中、大事なアポイントを前になんと電車を逆走してしまった。気づけば橋を渡ってブルックリン。戻る電車も少なく、どうしても遅れてしまいそうな事態に…。ついにやってしまった!すぐにYokoさんに連絡を入れ、なんとか時間を調整してもらうことはできたが、駅から少し距離があるオフィスまで全力疾走するはめになった。余裕を持って到着する予定がとんだ大失態だ。

Noomのオフィスは、チェルシーと呼ばれるヒップなエリアのギャラリー街の中にあるらしい。ハイラインをさらに西へ移動した、マンハッタンの西の端に位置する雰囲気のあるエリアだ。元々工場などが多かった名残もあってか、車の整備工場などもあって、オフィスの手前にはテスラのショールームもあった。Noomのオフィスのビルもまたギャラリー用のビルで、エレベーターはものすごく広く、前後に扉があり動くのもゆっくりだった。


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エンジニアが働くゾーンのNoomオフィス モニターが多い

 

オフィスに到着すると、入ってすぐあるキッチンにいた女性がすぐ気付いてくれて、Yokoさんを呼びに行ってくれた。間もなくして、Yokoさんと一緒に、大きな声で「いらっしゃい!メールでやりとりしてたから友達と会う気分だ!」と創業者のSaejuがニコニコしながらやってきた。

二人に軽くオフィスを案内してもらってから、Yokoさんと一緒に働くインターンのReiさん、VPのKenを交えて、まずは招待してもらっていたオフィスのキッチンで作っているというヘルシーランチをいただくことになった。Saejuの共同創業者は元Googleのエンジニアだったこと、健康サービスを作るには職場も健康を考えた場所にしたいと、5番目の社員にシェフを雇ったのだそうだ。

生春巻きやアボガドのサラダ、スープなどをたくさん取ってミーティングルームでランチをいただく。よく考えてみると、野菜の類を十分外食で取ろうと思うとかなり高額になってしまうニューヨーク。私も到着してから、こんなにヘルシーで充実した食事を取るのは初めてだった。

 

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ランチが終わって、おやつの準備をしている様子。左が5番目の社員のシェフ

 

Saejuは、元々韓国で音楽系のビジネスで成功していた若手起業家だったが、もっと大きな舞台で勝負したいと、9年前に単身渡米しニューヨークにやってきた。ろくにいいアパートも借りられず、ブロードウェイのプロデュースなどの仕事を最初にやっていたという。その後、共同創業者のArtemと出会って、世界中の人の健康をテクノロジーを使って貢献するビジネスをやりたいとNoomの前身の会社を立上げたのだそうだ。

スマートフォンが出始めたタイミングでモバイルアプリにフォーカスすることにして、これまで歩数計など様々なアプリをリリースしているが、健康保険などの制度が充実していないアメリカで、肥満や病気の大きな原因となる食事の部分に特化したNoomコーチをリリースするに至ったそうだ。ユーザーは基本的に食事を記録するだけのシンプルなものだが、これが非常に効果が高いそうだ。同じような属性の仲間と一緒にコミュニケーションしたり、レシピや読み物などの提供もやっているが、これは優良のプランになる。(現在は専任コーチがついてくれるようになっている)アメリカ以外でも、韓国やドイツで多く利用されていて、これから日本にも力を入れたいということだった。

 

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ピンぼけだが 左からSaeju、Yokoさん、私、Reiさん、Ken

 

ランチを終えると、Saejuは今後の私の取材をどう手伝えるかということを話しはじめた。どうやら、起業家や投資家の友達を呼んでディナーパーティーを開いてくれるという話だ。それ以外にも何かあれば随時声をかけてくれるという。これまでも協力してくれる人はたくさんいたが、彼ほど親身になってくれた人はこれまでいなかったので、いたく感激した。

たくさんお土産にNoomグッズをもらって、Noom流のおもてなしに触れて最高の気分でオフィスを後にした。

 

www.instagram.com

たくさんもらったお土産

 

 

一旦アパートに帰って、メールや次のアポイント準備をする。これまであまり書いていなかったが、実は英語でメールをやりとりするのはものすごく大変だった。そもそも自分がこれまで接点のなかったカルチャーを持つアメリカの人に仕事でメールをするので、書き方一つ決めるのも一苦労。すぐに返答する必要があるだけでなく、書き方一つで結果が決まるプレッシャーもあって、このメールと準備に膨大な時間が割かれた。

新しい訪問先が決まればリサーチも必要で、オフィスの場所も様々。毎日取材した後にメモを読み直して、書ききれていなかったことを追記する。たいした量のアポがなくても、毎日があっとういう間に終わっていた。

 

夜は、日系メディアのニューヨーク支社にいらっしゃる局長や編集長などの方々とディナーをご一緒させていただくために、Time Life BuildingのCapital Grilleへ。マテリアルワールドのヤノリエも一緒に、皆さんの仕事についていろいろ聞かせてもらいながら、ニューヨーク名物でもあるステーキを堪能しながら楽しい時間を過ごさせていただいた。

ニューヨークには、まだインターネット産業を取材する日系メディはない。(現在はビジネスインサイダーなど一部が日本語化されている)それが、私がニューヨークに自分で来て発信することに決めた大きな理由だった。ある意味我流で資金調達して来た、なんの取材経験もない新米記者な私。にもかかわらず、エスタブリッシュトなメディアでキャリアを積まれている皆さんからも、私の活動を支持してもらえたのはすごく嬉しく、光栄なことだった。

 

 

つづく