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いきなり訪れた予想外の展開 - クラウドファンディングでニューヨークへ

f:id:hynm_rie_ehara:20161110132540j:plain彫刻作品がたくさんあるMoMAの中庭

 

素敵な公共図書館を出て、気分が良くなった私は、その足でニューヨーク近代美術館MoMAに向かった。

 

初めてのアート体験 ニューヨーク近代美術館 MoMA

 

ダンなアートとフラワーアレンジメントでセンス良く彩られたエントランスを抜けると、気持ちのいい吹き抜けが広がっていた。ガラスの向こうには、彫刻作品が展示されている美しい中庭が続いており、建物に入ってから既にこの場所の虜になりつつあった。

美術館の最上階である6階で、ちょうど空に浮いた岩などシュールな作品で知られるマグリッドの特別展をやっていたので、そこから下に降りながらまわってみることにした。

ピカソゴッホ、モネ、シャガールマティスといった誰もが知っているような有名な画家の作品が至る所に展示されているだけでなく、モンドリアンなどのミニマルアート、ニューヨークを代表するポップアートの旗手アンディ・ウォーホルの作品が大量に展示されており、想像をはるかに超えるボリュームと質の作品群に感嘆の連続だった。

 

出発前、ニューヨークを知るために、何人もの人にアート関連の場所も絶対行った方がいいとアドバイスをもらっていたが、なぜ行くべきかやっと行ってみて分かった。アートがこの街の人に与える影響というのは、とてつもなく大きいのだ。

 

高揚した気持ちのまま一旦帰宅し、しばらく繋がってなかったネットに接続してあることに気がついた。 なんとこの日もう一件、人と会う予定を入れていたのだった…!映画祭に作品を出すためにボストンとニューヨークに来ているという映画制作会社の人だった。痛恨のミス!すぐさまお詫びの連絡を入れると、良かったら明日の朝朝食でもどうですかと快くリスケに応じてくれた。

 

翌朝、約束を取り直した映画制作会社Tokyo New Cinema社長の木ノ内さんと映画監督の中川さんの滞在するホテルまで向かった。このお二人も全くの初対面。偶然何かで知って私のプロジェクトを支援してくれたというPRの杉山さんが、同じタイミングでニューヨークにいる二人を紹介したいと繋いでくれたのだった。

ホテルで朝食を食べながら、軽く自己紹介し、私のプロジェクトについてもきちんと説明した。木ノ内さんは、生まれは北海道ではあるものの、大半の学校生活はボストンでつい最近までハーバードで網膜の研究をしていたという興味深い過去を持つ人だった。また、映画を既に2本制作している中川さんはなんとまだ学生ということだった。若くして独自の方法で映画業界で奮闘する二人におおいに刺激を受けた。

 

空き時間でも気軽に行けるメトロポリタン美術館

 

朝食後、メトロポリタン美術館(THE MET)に行く予定だった二人は、それにも一緒にどうかと誘ってくれたので、同行させてもらうことにした。

f:id:hynm_rie_ehara:20161110132621j:plainとても美しいメトロポリタン美術館の吹き抜け彫刻展示スペース

 

建物そのものがドラマチックで壮大なメトロポリタン美術館。クラッシックなエントランスには、建物に見事にマッチした花が豪快に活けてある。そのスケールに圧倒されつつ中に入る。

メトロポリタン美術館の入場料は、美術館の希望額ベースで提示されてはいるが、自分のその時々の事情に合わせて好きな金額で入ることができる。アートになるべく多く広く深く触れてもらうために取られたこの料金システム、本当に素晴らしいと思う。実際この日午前しか時間がなかった私も、高い入場料を払って行くのをためらっていたので、このシステムのおかげで助かった。

あらゆる時代の地域や文化を網羅した幅広いコレクションを持つメトロポリタン美術館は、きっちり回ると数日かかるとも言われている。私達は、ギリシャサイドからまわることにした。テーマごとに分けられた美しい彫刻作品は、異なる趣向を凝らされた空間に見事にマッチしており、まるでその時代にいるかのような気分になった。ギリシャを見終え、少し現代アートを見た頃に私はタイムアウトとなり、この旅初めての取材先へと向かった。

 

ニューヨークスタートアップへの初取材

 

はじめての取材は、to.beというインターネットコラージュサービスをリリースしたばかりのスタートアップだった。画像や音楽、動画などをWEB上の巨大キャンバスに自由にコラージュできるというものだ。感覚的なインターフェイスと、ユーザーによって作りだされたユニークな作品群に触れて、ニューヨークでしか生まれないタイプのスタートアップの一つなのではないかと、どうしても会ってみたかった。

彼らとは全く接点がなかったので、サービスを使いまくってフィードバックを送ったり、自分で作った作品をtweetしたりして相手の反応を待ち、反応が返ってくるようになった時を見計らって、取材させてほしいという打診をしてみたところ快諾してもらうことができたのだった。

 

f:id:hynm_rie_ehara:20161206154757j:plaindis magazineとのコラボレーションリリース日で忙しそうなto.beのオフィス

 

マンハッタンは、ダウンタウンの東側、イーストビレッジと呼ばれるところにオフィスを構えるto.be。小さくてチャーミングな公園、トンプキンソンズスクエアパークの傍に立地している。

はじめてのニューヨークスタートアップの訪問とあってかなり緊張していた私だったが、創業者のNickは私をあたたかく迎え入れてくれた。

 

取材については、知りたいことがたくさんあったのであまり不安はなかった。基本的に創業者のこれまでの仕事やバックグラウンド、どうやって着想を得たのか、どういう風にユーザーを集めているのか、開発で心がけていることなどをベースに、対話の中で気になったことを聞いていった。

Nickは、イギリス系スペイン人で元々は弁護士だった。また、過去に日本で音楽系のプロデュース会社を経営していたこともあったそうだ。その後ニューヨークに移住し、to.beの開発にあたってニューヨークの有名シード投資会社から資金を集めてスタートアップをはじめたそうだ。

to.beに関しては、日経ビジネスのコラムでこの時のことを詳しく書いているので良かったら読んでみてほしい。

business.nikkeibp.co.jp

彼と話をして最も印象に残ったのは、テキスト(文字)での表現が得意な人に圧倒的に利があるインターネットの世界を、もっとビジュアルが得意な人達が活躍できるように変えたいというものだった。こういう角度からサービスをデザインする

やっぱり来て良かった、来ないと分からないことの方が圧倒的に多いと実感した。

Nickは、好きなだけいていいし、写真も自由に撮っていいよと言ってくれたので、しばらく彼らの仕事する様子を見学させてもらうことにした。ちゃっかり、ランチにピザまでごちそうになった私。また、帰り際には、私のプロジェクトを手伝おうとなんとNickおすすめのスタートアップ関係者に紹介メールを書いてくれるという。

来る前、3つしかアポが取れていなかった私には思ってもない申し出だった。しかも、彼が口にしたのは私が会ってみたいスタートアップだったのだ!

 

加速する予想外の展開 ボストンのスタートアップとの出会い

 

最高の気分で最初の取材を終えた私は、そのまま歩いてダウンタウンの中心地であるユニオンスクエアを散策することにした。現地の日本人が集まる映画のイベントに軽く顔を出した後、午前中に会っていた木ノ内さんから、おそらく今夜食事する大学寮が同じだった友達がスタートアップで働いてるらしいので一緒にどうかと連絡をくれた。

レストランに向かうと、そこにいたのはFlight Carという空港に置いてある車をシェアするサービスの共同創業者の一人であるShriだった。(Flight Carは2014年にシャットダウン、技術はメルセデス社に売却している。)Y Combinatorに参加し、Flight CarのCTOとしてボストンで開発をしているという彼は、なんとまだ19歳だった。

当時、airbnbuberくらいしか知らなかった私だが、アメリカではシェアリングエコノミーが多様化し、市場規模のスケールが違うマーケットもまた多様に存在することを知った。これもアメリカに来ないと気付かなかったビジネスの一つである。

 

来るまで一人も知り合いがいなかったニューヨークで、ボストン時代の話を聞いたりしながら、一緒に楽しく食事をしている自分の状況が信じられないような感じで、少し面白くも思えた。

あっという間に誰かに繋がったりと、嬉しい予想外の展開が連続した滞在3日目だった。いよいよ楽しくなってきた!

 

(つづきは以下)

ehara.blog.houyhnhnm.jp